2012年1月1日日曜日

脳残君(Ⅰ):伝説的感動、伝説の中の“絶対領域”

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● 脳残君


アニメサイト。

脳残君
http://mycomic.qq.com/allpage/info.php?artid=124980






サーチナニュース 2011/12/20(火) 10:43
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=1220&f=national_1220_059.shtml
中国人留学生が描く、実物大の日本生活マンガが人気なわけ



(1)マンガ『日在日本』の紹介―ペンネーム誕生秘話

日本にやってきてわずか半年、語学学校に通う中国人留学生が描く日本生活を題材にしたマンガが中国のネット上で人気を集めている。
マンガ『日在日本』だ。作者は「脳残君」(ペンネーム)。
サーチナでは、作者の了解のもと、漫画の一部を紹介する。

『日在日本』は来日後、放課後の時間を使ってその日にあった学校や生活でのシーンを描いてきたもので、半年の間にすでに数十編書き下ろした。
作品は騰訊網内で掲載しており、これまでに100万を超えるアクセスを記録。
日本の語学学校での実生活を題材にした内容に、「真の日本生活を体感することができる」と評判だ。

その第一話は、「脳残君誕生!」。
このペンネームが誕生したのは、作者が日本留学を周りに打ち明けた時の様子が元ネタとなっている。

2011年4月、脳残君は日本留学を周りに打ち明ける。
折りしも、東日本大震災の直後で、福島第一原発の事故の規模がはっきりしてきている段階。
不確かな情報も多く、隣国の中国では、特に放射能に対して真偽取り混ぜた報道がなされている時だ。

周りからの頑強な反対に対して、脳残君はぶち切れ、
「僕が日本に行かない時は、自分が死ぬか、日本が沈没するかした時だけだ!」
と啖呵を切る。
あまりの剣幕に、周囲の人も泣く泣くあきらめる。
その中には、「頭が壊れたわ(脳残了)……」と嘆く人も。
「そうして、脳残君は誕生した!」
と第一話は締めくくられる。

第2話以降は、日本へ旅立ち、日本での留学生活に話が移っていく。




サーチナニュース  2011/12/30(金) 17:09
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=1230&f=national_1230_112.shtml

中国人留学生がマンガで描く日本「自分がとんでもなく田舎者に感じた」



(2)マンガ『日在日本』の紹介―「先進国」と、その膨大な距離感

周囲の反対を強引に押し切り、「頭が壊れたわ(脳残了)……」(ペンネームの由来)と嘆かれても日本に旅立った「脳残君」。
日本滞在数日後、まず眼を引いたのは、

1.車が走っていないのに赤信号の横断歩道を待っている通行人
2.左側に整然と並んでエスカレーターに乗る人々

上記二つを1コマずつ、驚きをもって書き上げている。
「3.11震災の報道において、中国のメディアも絶賛した“民度”を私もついに自分の目で確かめた」
と記す。

改ページ後の1コマが、
「発達国家(日本語で「先進国」)」と大書されたイメージ図。
「私は一種の見えざるしかし強力な秩序を目の当たりにし、その膨大な距離感を感じざるを得なかった。
自分がとんでもなく田舎者に見えた」
という。

その後、あまりの恥ずかしさに帰国してしまいたいという思いもよぎる「脳残君」。
「しかし……自分の弱小さと距離感を感じたからこそ、成長を追い求めるのである」
とコマを活用して、挫折から葛藤、復活(日本留学の継続)を描いている




サーチナニュース  2011/12/31(土) 09:27
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=1231&f=national_1231_017.shtml

中国人留学生がマンガで描く日本「女子高生の制服に、伝説的感動」



(3)マンガ『日在日本』の紹介―制服のスカートの丈が短いわけ

周囲の反対を強引に押し切り、「頭が壊れたわ(脳残了)……」(ペンネームの由来)と嘆かれても日本に旅立った「脳残君」。
日本滞在数日後、とある駅の構内で制服を着た女子高生に遭遇する。

マンガでは「伝説の中の日本の女子中高生」……と一コマでその感動を露わにする。

「アニメやゲーム、日本のテレビドラマの中で何度も繰り返して見てきて、よくは知っていたが、実物で見れたことは、私にとって大きな衝撃だった」
とした。
スカートの丈の短さ、脚部の露出の多さに触れて
伝説の中の、“絶対領域”
と表現、
「百聞は一見にしかず」
とした。

「日本の女子中高生の制服の特徴は、上半身が清純で、下半身がセクシー。
脚部の露出度合いは、年次が上がるのと正比例している。
清純さとセクシーさという一見矛盾したものの見事な一体化!」
と分析した。

改ページ後の1コマは、通常規格を超えた大規模なもので、その1コマだけで構成されたページに、若干妄想も含まれていると思われる、溌剌とした初々しい日本の女子高生を描いている。

さらに改ページ後は、自身の学生生活を振り返り、中国の当時の女子中高生の服装(ジャージ姿)を描き、「全然面白くなかった。。。」とした。

スカートの丈の短さについて、
「寒い日もやはりそうだった」
とその一貫性に感嘆、
「化粧をすることを許されない女子学生たちが、自身の女性としての魅力を表現する方法」
と考察している。

現在の中国の女子高生の制服もだいぶおしゃれになってきており、日本や韓国の制服のファッションセンスも取り入れている学校も出始めているが、それでも、中国の日本通男性の中では「日本の女子高生の制服」は一種“伝説”級の思い入れがあることが、正直に、卑猥さなく、ユーモアを交えて、見事に描かれている。




サーチナニュース  2012/01/04(水) 10:3
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0104&f=national_0104_030.shtml

中国人留学生がマンガで描く日本「信用と、中国人の良好なイメージ」



(4)マンガ『日在日本』の紹介―日本語学校理事長の力説に感動

周囲の反対を強引に押し切り、「頭が壊れたわ(脳残了)……」(ペンネームの由来)と嘆かれても日本に旅立った「脳残君」。
日本滞在後まもなく、日本語学校の授業が本格的に始まった。

その冒頭、日本語学校の理事長(華僑)は、
「日本は信用社会です。
皆さんの一挙手一投足はすべて記録されます。
絶対に違法行為はしてはなりません。
自分の眼を大事にするように、あなた方は自分の信用を大事にしなければなりません
と話す。

しかし数時間後、授業が進むにしたがって、居眠りする学生や、気もそぞろな学生など、教室にはだらけた雰囲気が漂う。
これに切れたのが理事長先生。

「皆さん、その態度は何なんです! 
しっかりしなさい! 
日本の方々に我々中国人の良好なイメージを示さなければならないのです!」
と一喝する。

「脳残君」はこれを聞いて感動する。
「自分はまともな人間とは思えない。
しかし、この目頭が熱くなるような衝撃。
ああ、“中国”。
なんと暖かな字面。
出国した時には何も感じなかったのに」
と思いを一新する。
教室の様子も一変、みな行儀正しく授業を受けるようになって、この話は締め括られる。

異国に出れば、どこの国の人間でも自分の国に思うところが出てくる。
マンガを通して、「脳残君」は明らかに今どきの若者で、過激な民族主義的な傾向を持たない人間に見えるが、
「日本の信用社会に順応し、中国人の良好なイメージを示す」
という高い目標を強烈に明示されたことで、母国を思う気持ちが一層強くなった様子が見事に描かれている




サーチナニュース 2012/01/05(木) 11:43
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0105&f=national_0105_078.shtml



(5)マンガ『日在日本』の紹介―男性同胞よ!日本で道を踏み外すことなかれ

ある日のこと、「脳残君」は日本の書店で買物。
しかし、日本の書籍の値段が「総じて人民元で100元(約1200円)以上、とても手が出せない」と悩んでしまう。
そんな中で眼に入ったのが、成人向け雑誌。290円、しかも4時間の動画を収録したDVD付き。

「やましさなく成人向け雑誌を買うというのは、なんとも言えない爽快感! 
堂々とAVを見ることができる! 
なぜって? 
中国人なら誰でも知っているが。。」
として、中国における、いわゆる成人向け(中国語で「黄」)作品の規制の厳しさを匂わす。

宿舎に戻ると、早速留学生仲間に披露、一緒にDVDを視聴する。
そこにやってきたのが、日本滞在暦が長そうな先輩学生。
事情を話すと、その先輩は、「これを見よ!」と大量の成人向け雑誌を持ってくる。
先輩は、
「東京にアルバイトに行くたびに、ごみ集積場に捨ててあるものを拾ってきたものだ!」
と自慢げに話す。

中国人、特に男性にとって、日本の性文化は大変な興味の対象。
20代の男性であれば、日本と聞いて連想するのは、という質問に対して、「蒼井そら」「AV」という回答が出てくるのは珍しくない。
こうした中国人男性の興味に対して、ユーモラスに、卑猥さを出さず、正直に描ききった作品と言える。

ただし「脳残君」は最後に、
「日本の成人向け雑誌の種類や内容は、中国人民にはとても想像できないレベル。
“和諧”(ここでは、中国の秩序、そのための自己規制などの意味)のために、ここでは多くは触れない。
個人的には日本に来る男性同胞たちが、(あまりにも免疫がなさ過ぎて、これらの作品や文化によって)道を踏み外さないよう、祈るばかりだ」
とまとめている。




サーチナニュース 2012/01/06(金) 15:23
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0106&f=national_0106_148.shtml
中国人留学生がマンガで描く日本~ひとり暮らし、夜の怪奇現象



(5)日本でもっとも驚いた怪奇なこと

留学生活をまっとうしようとしたら、結構大変だ。
日本語学校から大学などに、可能であれば大学院にも進学したい。
留学生にとって、将来へのパスポートとなるのは、なんと言っても学位だ。

ということで「脳残」君。
毎日のように予習・復習に励むのだが、勉強机にゴキブリがうろちょろすることもしばしば。
朝起きれば、ベッドの中に押しつぶされたゴキブリ。
ある日のこと、弁当箱を洗わずに、蓋(ふた)をきちんと閉めずに放置した。

翌朝見て、身の毛がよだった。
弁当箱の中にはゴキブリがびっしり、うじゃうじゃ。
0.5秒後には、ごみ箱に投げ捨てた。

中国でも、日本は「清潔な国」として有名だ。
ところがなぜ、部屋がゴキブリであふれるのか。
「脳残」君はとっくりと考えた。
そして、理解した。

中国にいたときと同様、食べ残しは台所の流しに入れる。
ごみ箱にそのまま投げ込む生ごみも多い。
そしてほったらかし。
格好の「温床」だ。
ゴキブリを増やしていたのは自分だった。
いくら退治しても、追いつくわけがない。

考えてみれば、日本人は食べ残しを嫌う。
食べ残した場合でも、きちんと始末する。
「脳残」君は気がついた。
日本人が食べ残しを嫌うのは、節約のためと思っていた。
それだけではなく、残飯をやたらに捨てないというのは、ゴキブリを増やさないという意味もあったのだ。

それにしても、ゴキブリが人を刺したりかんだりする虫でなくてよかった。
もし人に直接害を与える虫だったら、大変なことになっていたと「脳残」君はしみじみと考えるのだった。

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「脳残」君は、日本にやってきて半年あまり、語学学校に通う中国人留学生のペンネームだ。自分自身が登場するマンガ『日在日本』は、中国のインターネットでも人気を集めている。掲載サイトには、「日本の真実を教えてくれる」などのファンの声が次々に書き込まれている。

『日在日本』は日本人読者向けにサーチナでも掲載できることになった。
「脳残」君の目を通して、中国人がいだく「日本留学のイメージ」をお伝えしたい。



★つづく


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