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● ANNニュース
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毎日新聞 2011年11月28日 2時30分(最終更新 11月28日 3時10分)
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20111128k0000m010135000c.html
大阪ダブル選:維新圧勝 既成政党離れは明確に
「自分たちの力ではどうしようもないほど、大阪維新の会の票が伸びた」
大阪府の小選挙区選出の民主党衆院議員は、維新完勝の衝撃をこう表現した。
民主、自民など既成政党と、首長政党の維新が対決したダブル選挙。
2大政党は有権者の既成政党離れを突きつけられ、立ちすくんでいる。
野田政権発足後、初の大型地方選挙に対し、民主党本部は「一地方の選挙」として静観し続けた。
大阪府連レベルで支援したものの、平野博文国対委員長ら地元選出議員を除き、党幹部はほとんど応援に入らなかった。
党副幹事長は「大阪の支持者の名簿集めの指示さえ来なかった」ともらす。
民主党が対応を府連に「丸投げ」したのはダブル選が「既成政党VS首長政党」の構図になるのを避けるためだ。
09年の政権交代後、3人目の首相が誕生し党への期待感は薄れるばかり。
次期衆院選を控え、民主党本部は維新代表の橋下徹氏との全面対決を避けるため距離を置いてきた。
ダブル選の対応を府連任せにしたのは自民党も同じだ。
次期衆院選での政権奪還に向け、橋下人気は無視できない。
自民党の石原伸晃幹事長は27日夜、都構想について「協力要請があれば検討する」と前向きに対応する考えを示した。
「おやじが橋下氏の応援で26日に大阪に入ることになりました」
石原氏は24日、自民党関係者に対し、実父の石原慎太郎東京都知事の大阪入りを伝えた。
府連側は難色を示したが、石原氏は「おやじには自民党籍がなく、どうしようもない」と取りあわなかった。
石原氏は9月にテレビ番組で都構想に賛同しており、自民党内では
「父親のパイプを活用し、橋下氏との連携を探っているのではないか」
との見方もある。
2大政党が存在感を示せなかった一方で、国民新党やみんなの党など中小政党は選挙中から維新を支援してきた。
維新のダブル選挙制覇を受けて、橋下氏を取り込んだ新党結成や衆院選での連携を急いでいる。
「オールジャパンでわが国の国力アップをする方策を考えなければいけない」
国民新党の亀井静香代表は25日の会見で独自の新党構想を表明。連携相手として亀井氏が挙げたのは橋下氏のほか、石原都知事や大村秀章・愛知県知事ら知名度のある首長。
民主党との連立を見限った亀井氏は郵政改革法案を巡る連立離脱を示唆し、新党結成を探っている。
亀井氏は27日夜、毎日新聞の取材に
「既成政党への圧倒的なノーの表明だ。
地方から日本を変えていくという動きとドッキングしないといけない」
と歓迎した。
ただ橋下氏や石原都知事らは新党参加に否定的で、広がりはないとの見方が強い。
みんなの党の渡辺喜美代表も維新候補を応援するため、選挙中、5回も大阪に入った。
27日夜も橋下氏の記者会見会場に姿を見せ、維新の国政進出に「協力する」と表明した。
一方、公明党はダブル選挙に自主投票で対応した。
大阪府内の衆院4小選挙区で公認候補を擁立する次期衆院選を最優先。
支持母体の創価学会幹部は
「反橋下陣営に入らなかったことが、維新への最大のエールだ」
と語り、維新が対抗馬を立てないことを期待する。
参院で野党が過半数を占めるねじれ国会で国政の閉塞(へいそく)感が強まるなか、今春の統一地方選以降、民意の受け皿として大阪や愛知の首長政党が存在感を増している。
維新の勢いにおびえる民主、自民両党。橋下氏の取り込みを競い合う中小政党。
国政を舞台に「大阪ショック」の第2幕が上がろうとしている。
』
『
毎日新聞 2011年11月28日 東京朝刊
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20111128ddm001010064000c.html
「橋下維新」が制覇 市長選圧勝、
知事に松井氏 都構想、推進へ
大阪府知事・大阪市長のダブル選は27日投開票され、市長選は大阪維新の会代表で前知事、橋下徹氏(42)が、現職の平松邦夫氏(63)=民主府連支援、自民府連支持=を破り、初当選した。
知事選は大阪維新の会幹事長、松井一郎氏(47)が、前同府池田市長、倉田薫氏(63)=同=と弁護士、梅田章二氏(61)=共産推薦=ら6人を破って初当選した。
「大阪都構想」を掲げる維新が大差で両選挙を制したことで、府市は15年4月の都制移行に向けた制度設計に入る。
実現には法改正が必要なため、維新は国政進出も視野に既成政党への攻勢を強める。
ダブル選は40年ぶりで、大阪都構想の是非が最大の争点となった。
橋下氏の政治手法や教育への政治関与を打ち出した教育基本条例案なども問われた。
投票率は市長選が60・92%(前回43・61%)、知事選が52・88%(同48・95%)だった。
維新公認の橋下、松井両氏に対し、民主、自民は平松、倉田両氏を支援。
共産は市長選で公認・推薦候補の擁立を見送り、自主的に平松氏の支援に回った。
自主投票の公明を除く既成政党と維新が対決する構図になった。
橋下氏と松井氏は27日夜、そろって大阪市内で記者会見。
橋下氏は選挙結果を
「都構想が信任された。
ゴールではなく、次のステップのスタートだ」
と位置づけ、
「自民、民主、共産は全く理念がなかった。
それが有権者に見抜かれたのでは」
と勝因を分析した。
戦後の大阪市長では最年少。
知事から政令市長になるのは全国初。
有効投票総数に占める市長選の得票率は橋下氏が58・96%、平松氏が41・04%だった。
大阪都構想は府と大阪、堺両市を解体して「都」と「特別自治区」に再編する構想で、人口約267万人の大阪市の場合、8か9の区に分割される。
都構想の実現には法整備が必要となるため、橋下氏は
「まずは既存の政党と話し合いたい。
そのうえで、受け入れられる状況がない場合は、年内から候補者擁立の準備に入りたい」
と述べ、次期衆院選の近畿圏の小選挙区に維新の会から候補を擁立する意向を表明。
橋下氏自身が市長の任期途中に辞職して国政に転じる可能性は否定し、市長は1期で退く考えを示した。
15年度の都構想実現を目指しており、橋下氏は
「都知事は維新から出すことは考えていない。
元気な若い世代に引き継いでいく」
として、実現すれば維新はいったん解散する考えも明らかにした。
これから乗り込む大阪市役所の職員に対しては
「職員の給与体系も体質も変えていく。
民意を無視する職員は市役所から去ってもらう」
と「宣戦布告」。
維新が過半数を占めていない市議会に対しては
「リコール(解職請求)は考えていない。
ノーサイドにして話し合う」
と協議を求める一方、
「それでも解決できなければもう一度民意を問うこともあり得る」
とけん制した。
橋下氏は08年1月の知事選で初当選。
10年1月に都構想を提唱し、同4月に大阪維新の会を結成。
今年4月の統一地方選では、維新が府議会で過半数、市議会では第1党になった。
しかし、平松氏や市議会多数を占める既成政党が都構想に反発。
橋下氏は「民意を問う」として、10月末に知事を辞職し、ダブル選に持ち込んだ。
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●大阪府知事選確定得票数●
当 2,006,195 松井一郎 <1>諸新
1,201,034 倉田薫 諸新
357,159 梅田章二 無新=[共]
29,487 岸田修 無新
27,809 高橋正明 無新
22,347 中村勝 諸新
21,479 マック赤坂 諸新
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●大阪市長選確定得票数●
当 750,813 橋下徹 <1>諸新
522,641 平松邦夫(1)無現
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◇大阪府知事略歴
松井一郎(まつい・いちろう)47 諸新<1>
[元]府議▽大阪維新の会幹事長[歴]府議秘書▽自民府議団政調会長▽福岡工大
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◇大阪市長略歴
橋下徹(はしもと・とおる)42 諸新<1>
[元]大阪府知事▽大阪維新の会代表▽弁護士▽法律事務所代表▽早大
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『
TBSニュース
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『
asahi.com 2011年11月28日13時23分
http://www.asahi.com/national/update/1128/TKY201111280165.html
● 当選のあいさつ後、3時間以上に及ぶ会見をした橋下徹氏=27日夜
橋下新市長、職員を一喝 「民意無視なら去ってもらう」
「市役所の職員は選挙結果を重く受け止めるように」。
大阪市長選で当選した橋下徹氏は27日夜の会見で開口一番、市職員との対決構図を鮮明にした。
新市長はかつて、市の体質を
「税金をむさぼるシロアリ」
と表現した。
職員らはどう受け止めているのか。
橋下氏の当選確定後のあいさつは、市職員への「宣戦布告」で口火を切った。
「『選挙で受かったくらいで何でも決められたら困るな』という市職員はたくさんいる。
選挙で選ばれた者に対する配慮が欠けている」。
橋下氏は激しく職員批判を続けた。
ダブル選の意味づけを
「市役所と真っ向から対立し、有権者が我々の主張を選んだ」
と自ら認定。
「この結論は非常に重い。
職員の問題は徹底的に解明し、組織を変えていきたい」
と民意を盾に市役所でも府庁と同様、政治主導を貫く姿勢を鮮明にした。
さらに
「民意を無視する職員は大阪市役所から去ってもらう」
と告げる一方、
「民意に基づいて市政をしっかりやろうと考える職員とは必死にやる」
とも述べ、職員に立場を鮮明にするよう迫った。
一連の発言は、相手に先制攻撃をかけ、その後の交渉を有利に進めようとする得意の「橋下流」と言える。
市職員に厳しい言葉を浴びせたのは、今後、都構想の具体化や市議会対策を進めていくうえで、市職員の協力が欠かせないと考えるからだ。
一方、大阪維新の会が過半数の議席を持たない市議会に対しては、橋下氏も自ら
「問題は議会。決定権がないので、議案を作っても議会としっかり話し合いをしないと」
と一転、居丈高な姿勢を封印してみせた。
新年度予算案などについても、
「議会の合意が必要。
他会派が市長選の結果についてどう考えるのか知りたい」
と様子見の姿勢を示し、市議会解散請求についても、
「今のところはまったく考えていない。
いったんはノーサイド。
今回の結果を受けて話し合いをする」
と語った。
一方、ある市幹部は
「多くの有権者が本当に大阪都構想や教育基本条例案などの中身を理解して、投票したのだろうか」
と、橋下氏の当選に割り切れなさを隠さなかった。
「選挙で選ばれた人を支えるのが公務員の宿命だからしょうがない。
民意を粛々と受け止める」
と語った。
都構想で橋下氏が「公選制にする」としている24区の区長。
ある区長は
「誰が市長であれ、区役所や区長の基本的な役割は安心で安全な街づくり。
地域のコミュニティーを大事にしながら、街づくりを進めていきたい」
と話した。
「今は何も考えられない。
橋下氏が府で進めた改革や、職員基本条例案などもう一度深く研究して対策を練りたい」。
選挙戦で平松邦夫氏を支持した市職員の労組幹部はこう語った。
橋下氏が職員や労組への批判を繰り返してきたことには
「選挙戦術だったと思う。
賢明な人なので今後は、こちらを敵とは見なさないのでは」
と期待する。
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橋下徹、最後の演説
』
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朝鮮日報 記事入力 : 2011/11/28 09:05
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2011/11/28/2011112800519.html
日本でも「第3の勢力」が与野党候補を破る
大阪ダブル選挙で「大阪維新の会」の2人が圧勝
「当選したら、大阪市を解体する」との公約を掲げ、27日の大阪市長選挙に出馬した、橋下徹・前大阪府知事(42)が圧勝した。
NHKによると、地域政党「大阪維新の会」に所属する橋下前知事は、民主・自民両党の支援を受けた平松邦夫・現市長(62)を大差で破り当選した。
また、同時に行われた大阪府知事選挙でも「大阪維新の会」に所属する松井一郎氏(47)が当選した。
橋下・松井両候補は、出口調査で圧勝が予想されたのを受け、この日午後9時に当選記者会見を行い
「大阪府と大阪市の統合や教育・行政改革を本格化させる」
と述べた。
日本の二大政党である民主党と自民党は市長選で、連携して総力戦を繰り広げたものの「減税と行政刷新」を掲げた橋下氏の相手にはならなかった。
とりわけ、無党派層の6割が橋下氏を支持した。
日本では景気の低迷や国家債務の増加、失業率の上昇などにより、国民の生活が苦しくなっているが、既成政党はこれを克服するためのビジョンを示せないため、国民の失望感が高まり、橋下氏の圧勝につながったとの見方が出ている。
■橋下氏の目標は「既成政党の改革」
橋下氏はテレビの法律相談番組に出演し、高い人気を得た「タレント弁護士」として、2008年に大阪府知事に当選した。
就任後、橋下氏は同府の職員たちを「倒産した会社の社員」と呼び、人件費や関連団体に対する補助金を大幅に削減した。
また、地方議員たちの報酬の削減を主導し、事有るごとに既成政党と対立して「独裁者」との批判も浴びた。
だが、橋下氏が結成した「大阪維新の会」は今年4月の統一地方選挙で、大阪府議会の過半数を占め、大阪市議会でも第1党となった。
橋下氏が大阪府知事を任期途中で辞職してまで、大阪市長選に出馬した大義名分は「二重行政の解消」だった。
大阪府と大阪市は行政区域が重なり、浄水場や図書館なども別個に運営し、二重に投資するなど、税金が無駄遣いされているというわけだ。
だが、橋下氏が公約に掲げる大阪府と大阪市の統合は、国会が法律を改正しなければ実現が不可能だ。
今回の選挙で自民党や民主党は橋下氏をけん制し、現職の平松市長を応援したが、力不足だった。
橋下氏は遊説で「変わるのか、変わらないのか」という点を力説したが、平松市長は「橋下氏の独裁を止めよう」と主張するのが精いっぱいだった。
橋下氏はさらに踏み込んで
「既得権益にしがみつく既成政党には、改革を推進することはできない」
として、国政の改革も訴えた。
■6割を超える無党派層の結集
橋下氏の勝利により、地域政党発の政界再編が進められるのではないかとの見方も出ている。
国民新党の亀井静香代表は最近、橋下氏や河村たかし名古屋市長と共に、石原慎太郎・東京都知事を代表とする新党結成を推進する、と発表した。
この構想が本格化すれば「京都党」や「埼玉改援隊」などの地域政党も合流する見通しだ。
これらの地域政党や自治体首長は、消費税の税率引き上げに反対し、日本の核武装に賛成するという主張を共有している。
石原都知事はこの提案に応えるかのように、今回の選挙投票日前日に大阪市を訪問、橋下氏を支援する遊説を行った。
石原氏は遊説で「橋下氏に大阪と日本の運命を託そう」と訴えた。
国民的な支持率が高く、自民党内部でも影響力が大きい石原氏が新党に合流した場合、政界再編に結び付く可能性が高い。
一方、橋下氏は新党への参加について否定的な見解を表明したが
「日本の首相は国民が直接選ぶ公選制に改めるべきだ」
と主張するなど、国政を念頭に置いた動きを見せている。
時事通信が行った世論調査の結果、民主党と自民党の支持率は共に10%台にとどまった一方、無党派が60%を超えているが、こうした点も政界再編の可能性を高めている。
■大阪府知事と大阪市長のダブル選挙
大阪市長選挙は1971年、当時の市長の急死を受けて行われて以降、ほかの地方自治体とは異なり、11-12月に行われてきた。
市長の任期は4年だ。
一方、橋下大阪府知事は来年2月6日に任期満了を迎える予定だったが、市長選挙に出馬するため辞職したことから、知事選挙も今回、40年ぶりに市長選挙と同時に行われた。
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