2011年12月16日金曜日

ロシア各地で反プーチンデモ、モスクワでは5万人

_




AFP BB News 2011年12月16日 13:49 発信地:モスクワ/ロシア
http://www.afpbb.com/article/politics/2846053/8203149?utm_source=afpbb&utm_medium=topics&utm_campaign=txt_topics

プーチン露首相、反政府デモを「若者の自己表現は喜ばしい」

12月16日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)首相は15日、下院選での与党勝利が大規模な反政府デモに発展したことについて、大勢の若者たちが自らの意志を表明することは「喜ばしい」と語った。

 定例の市民との電話対談番組のなかで語ったもので、プーチン首相が下院選後の抗議デモに言及するのは初めて。

 このデモについて、プーチン首相は
 「テレビで見たが、大勢の若者たちが元気に自分たちの意見を主張しているのを見て、喜ばしく思った」
と語った。
 また、こうした行為について
 「極めて当たり前のことだ。法の範囲内で行動している限りはね」
と釘を指した上で、
 「今後も、おおいに続けてほしいものだ」
と付け加えた。

 モスクワ(Moscow)で10日に行われた反プーチン集会には数万人が集まり、1991年のソ連崩壊前後の混乱期以降では、最大規模の抗議行動となった。

 反プーチン集会の参加者たちは抗議の象徴として白いリボンを身に着けていたが、プーチン首相は当初「エイズ撲滅の集会だと思った」という。
 「失礼ながら、(白いリボンが)コンドームを変な風に折り曲げたように見えたのでね。だが、よく見たら違った。
 最初は、彼らは健康なライフスタイルを訴えているんだなと思った」
と語った。

 その一方で、首相は抗議者らを糾弾する姿勢も見せた。
 「私にはわかっている。
 あの学生たちは、お金をもらってデモに参加しているんだ。
 いくばくかの金銭を稼げるのは、いいことだがね」
と述べるなど、反政府デモの参加者らは買収されているとの見方を示し、一般市民は野党の圧力に負けて反政府デモに参加して自分をおとしめるべきではないと訴えた。

 4日の下院選では与党「統一ロシア(United Russia)」が勝利したものの、得票は過半数を割り込み、野党側は選挙が公正に行われていれば、与党は惨敗していたはずだと主張している。

 この選挙結果について、プーチン首相は
 「この国の政治の有り様が反映されていることに疑いの余地はない。
 統一ロシアが首位を保ったことは非常に良い結果だ」
と語った。 

 野党側が選挙の不正を主張していることについては、
 「野党は必ず選挙に不正があったと言うものだ。
 どこの国でもそうだ。全ての国でね」
と述べた。

 また不正疑惑があったとの声を鎮めようとの狙いから、プーチン首相は
 「選挙管理委員会に、ロシア全土9万の投票所全てに監視カメラを設置し、その映像を誰でも見られるようネット上で公開するように指示する」
と約束した。(c)AFP




ロイター 2011年 12月 16日 14:14 JST
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPTYE7BF02K20111216

デモ吹き荒れる「ロシアの冬」、国営テレビの苦悩と試練

[モスクワ 14日 ロイター] ロシアでは4日に行われた下院選の結果を受けて、選挙のやり直しやプーチン首相の退陣などを求めて、ソ連崩壊後では例を見ない大規模なデモの嵐が吹き荒れている。

 しかし、当局の報復を恐れるロシアの国営テレビ局の中には、直接デモを取材するのではなく、デモを取材する海外メディアを報道するというおなじみの手法に打って出た局もあった。
 このえん曲的な報道によって、同国の国営テレビがプレッシャーにさらされている様子が見て取れる。

 デモ開始から10日が経ったが、1つの大きな疑問は、このデモが政治だけでなく、12年に及ぶプーチン体制を支えてきた国営テレビに真の変革をもたらすことができるか、ということだ。

<思いがけないヒーロー>

 その答えの1つが、最大規模のデモが繰り広げられた10日に示された。ロシア政府系天然ガス独占企業ガスプロム(GAZP.MM: 株価, 企業情報, レポート)傘下の国営テレビ、NTVのベテランキャスターであるアレクセイ・ピボワロフ氏が、モスクワの広場で行われたデモの様子を番組で報道。
 前日の新聞報道では、同氏がデモを報じなければ番組に出演しないと語ったと伝えられていた。

 NTVはもともと独立したテレビ局だったが、オーナーがクレムリンと衝突して財政難に陥った後、ガスプロムに買収された。
 その後、他の国営テレビ同様、国家管理の下に批判的な報道を行わなくなっていった。

<デモ報道は今後も続ける>

 NTVニュースのトップであるタチアナ・ミトコーワ氏は14日、他の国営テレビ局トップらと上院議会を訪れた後、記者団に対し、今後もデモの報道を続けるとコメント。
 またNTV関係者は、デモを報道したという事実は政治的な締め付けに対する報道局の不満を示していると語った。
 ピボワロフ氏のコメントは得られていない。

 また、ピボワロフ氏と話したというモスクワのベテラン記者によると、当日の報道内容はいつものようにガスプロムのミラー最高経営責任者(CEO)と幹部のウラジーミル・クリスティコフ氏との電話による話し合いで決められたという。
 その際の決め手は、国営メディアグループが所有するカナル・ロシヤがデモを報じたことだったという。

 しかし、国営テレビにとって、デモ報道はもはやタブーではない。
 プーチン首相やメドベージェフ大統領は、抗議デモが公民権を示す行為であるとも語っている。

 デモの主催者の1人で左派中道政党「公正ロシア」のメディアに関する議会委員会元メンバー、イリヤ・ポノマリョフ氏は
 「クレムリンにまず勝ち目がない状況だった。
 デモの映像を放映しなければ、収拾不可能な怒りに直面しただろう」
と語る。

<それでもなお強大なプーチンの影響力>

 クレムリンはデモ報道を容認することで、モスクワで24日に予定されている次のデモがさらに拡大するかもしれないという危険をあえて冒しているようだ。

 クレムリンの元アドバイザーで政治アナリストのグレブ・パブローフスキー氏は
 「テレビ局は、一度始めたからにはデモを報道し続けなくてはならないだろう。
 とはいえ、プーチンがメディアへの支配力を失ったわけではない」
と指摘する。
 テレビ報道は今でも監視され、プーチン首相を直接批判することはできないままだ。
 そして、そもそも今回デモが起きた理由を報道してはいけないという明らかなタブーが存在する。

 有力週刊誌「コメルサント・ブラスチ」の編集長だったコワリスキー氏は14日、最新号で下院選の不正疑惑をめぐる記事を掲載したことが理由で解任されたと語った。
 同号は下院選を大きく扱い、表紙にはプーチン首相の写真と
 「選挙でいかにして不正が行われたか:目撃者の証言」
などの見出しを掲載。こ
 のほか、英国での在外投票についてのページでは、「くたばれプーチン」と落書きされた投票用紙の写真が載せられていた。




AFP BB News 2011年12月13日11:13
http://www.afpbb.com/article/politics/2845194/8188289

ロシア各地で反プーチンデモ、モスクワでは5万人

【12月11日 AFP】ロシアで10日、下院選の不正疑惑をめぐって、各地で数千人規模の抗議デモが行われ、首都モスクワ(Moscow)では5万人がデモに参加した。12年間にわたり大統領、首相として国を統治してきたウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)氏に対する最大規模の全国的な抗議行動となった。

 4日の下院選で、与党「統一ロシア(United Russia)」が不正で辛勝したとの疑惑があがり、抗議の声が広がった。モスクワでは「プーチンなきロシアを」と叫ぶデモ隊が、警官隊の厳重な警戒線を横切り、モスクワ川(Moscow river)に浮かぶ島にある広場へと行進した。また、極東やシベリア、ウラルなどのロシア各地でも、モスクワより小規模ではあるものの、似た光景がみられた。

 激動の1990年代以降モスクワで行われた最大の抗議デモに対し、治安当局は警察ヘリコプターを出動させ、治安要員5万人以上を動員した。
(c)AFP/Maria Antonova and Benoit Finck





_